サッシ屋の日常⑬|LIXILリプラス「ブリッジ枠」とは?YKK APマドリモと比較
LIXILの取替窓「リプラス」には、引違い窓で選択できる「ブリッジ枠」という仕様があります。
名前だけを見ると、「アルミ樹脂複合サッシなの?」「普通のリプラスと何が違う?」「先進的窓リノベ2026のAグレードになるの?」と少し分かりにくい商品です。
さらにYKK APには、マドリモの「樹脂窓 ハイブリッド専用枠」があり、こちらも断熱性能とスリムな納まりを両立する商品として比較されることがあります。
今回は、実際にリプラス・マドリモの両方を取り扱うサッシ屋の立場から、リプラスのブリッジ枠とはどんな構造なのか、マドリモ ハイブリッド樹脂窓とは何が違うのかを分かりやすく解説します。
LIXILリプラスの「ブリッジ枠」とは?
リプラスのブリッジ枠は、LIXILが2023年にリプラス専用枠へ追加した高断熱仕様です。
大きな特徴は、サーマルブレイク構造を採用していることです。
一般的なアルミ形材は熱を伝えやすいため、室外側の寒さや暑さが室内側へ伝わりやすくなります。
ブリッジ枠では、室外側と室内側のアルミ形材の間に樹脂部材を設け、アルミ同士の熱の伝わりを抑える構造になっています。
つまり、「全部が樹脂でできた窓」ではありません。
アルミの強度を活かしながら、熱が伝わる経路の途中へ樹脂を入れることで断熱性能を高めた枠、と考えると分かりやすいです。
普通のアルミ樹脂複合サッシとは少し考え方が違う
「樹脂が使われているなら、アルミ樹脂複合サッシと同じでは?」と思われるかもしれません。
ただし、一般的にアルミ樹脂複合サッシと呼ばれる窓と、リプラスのブリッジ枠では構造の考え方が少し異なります。
一般的なアルミ樹脂複合サッシは、室外側にアルミ、室内側に樹脂を配置する構造が多くなっています。
一方、リプラスのブリッジ枠は、アルミ形材同士の間を樹脂部材でつなぎ、熱の伝わりを抑えるサーマルブレイク構造です。
どちらも断熱性能を高めるためにアルミと樹脂を組み合わせていますが、構造は同じではありません。
リプラスのブリッジ枠は引違い窓で選べる
LIXILのリプラス居室仕様では、新しく取り付ける引違い窓でブリッジ枠を選択できます。
標準枠と比べて断熱性能を高めながら、カバー工法特有の窓まわりの段差や見付をできるだけ抑えた設計になっています。
カバー工法では既設枠の内側へ新しいサッシを取り付けるため、どうしても交換前よりガラス部分が小さくなりやすいという特徴があります。
そのため、断熱性能だけでなく、できるだけ採光面積を残したい場合にもブリッジ枠は選択肢になります。
先進的窓リノベ2026ではAグレードを狙える
先進的窓リノベ2026では、外窓交換のAグレードは熱貫流率Uw1.9W/㎡・K以下が基準になっています。
リプラスのブリッジ枠も、窓種やガラス仕様などの組み合わせによって、このAグレードに対応できる仕様があります。
例えばLow-E複層ガラスやアルゴンガス入りなど、高断熱仕様のガラスと組み合わせることで対象となる製品があります。
ただし、「ブリッジ枠を選べば必ずAグレードになる」という意味ではありません。
先進的窓リノベの性能区分は、枠だけではなく、窓種・サイズ・ガラス構成・仕様などを含めた完成窓の性能によって決まります。
補助金を利用する場合は、発注する製品が対象製品として登録されているか、性能証明書でどのグレードになるかを確認して選定します。
YKK APマドリモ「ハイブリッド専用枠」はどんな構造?
比較されやすいのが、YKK APマドリモの「樹脂窓 ハイブリッド専用枠」です。
こちらは、YKK APが「樹脂障子+アルミ樹脂複合枠」と説明しているハイブリッド構造です。
ガラスを囲む障子部分は樹脂製のまま、建物へ固定する新設枠部分をアルミ樹脂複合構造とすることで、断熱性と施工性を両立しています。
従来のマドリモ樹脂窓では、既設枠と樹脂窓の間にジョイント枠を介して納める仕様がありました。
ハイブリッド専用枠では、このジョイント枠を介さずに納められるため、部材構成を減らし、枠の見付をスリムにできるのが大きな特徴です。
YKK APによると、プロジェクト窓では従来仕様と比べてたて枠の見付を約30%スリム化し、条件によってガラスの採光面積を約20%拡大しています。
リプラス ブリッジ枠とマドリモ ハイブリッド専用枠の違い
名前だけを見ると似ていますが、構造はかなり違います。
- LIXILリプラス ブリッジ枠:室外側・室内側のアルミ形材の間を樹脂部材でつなぐサーマルブレイク構造
- YKK APマドリモ ハイブリッド専用枠:樹脂製の障子とアルミ樹脂複合の新設枠を組み合わせた構造
どちらも「アルミの強度を活かしながら断熱性能を高める」という方向性は似ています。
ただし、リプラスは枠内部の熱の伝わりを樹脂部材で遮断する考え方、マドリモは樹脂障子とアルミ樹脂複合枠を組み合わせる考え方です。
どちらもAグレードなら補助金は同じ?
先進的窓リノベ2026では、同じ工種・同じサイズ区分・同じ性能グレードであれば、基本的にメーカー名によって補助額が変わるわけではありません。
そのため、リプラスとマドリモのどちらもAグレード対象製品で、同じサイズ区分であれば、補助金だけを見て商品を選ぶ必要はありません。
実際の商品選びでは、製品価格、既設サッシとの納まり、開口の小さくなり方、窓種、防水構造、施工方法なども含めて比較した方がいいと当店では考えています。
当店ならどちらを選ぶ?
当店ではLIXILリプラス、YKK APマドリモのどちらも取り扱っています。
リプラスのブリッジ枠は、アルミの強度やスリムな納まりを活かしながら、断熱性能を高められる合理的な構造だと思います。
特に室外側から問題なく施工できる現場や、LIXIL製品でまとめたい場合などでは十分選択肢になります。
一方で、当店では防水・気密構造まで含めて考えると、YKK APマドリモ ハイブリッド樹脂窓をおすすめすることが多いです。
マドリモでは、水密材を1次バリア、既設枠と新設枠をつなぐ気密シートを2次バリアとする防水・気密構造が採用されています。
そのため、断熱性能や補助金グレードだけでなく、完成後には見えなくなる防水部分まで含めて総合的に判断しています。
実際のリプラス・マドリモ施工事例
当店では、リプラス・マドリモのどちらも実際に施工しています。
リプラスでは、既存の引違い窓からFIX窓へ変更した施工事例があります。
▶ LIXILリプラスで引違い窓からFIX窓へ交換した施工事例
マドリモでは、傾きのある既設サッシをハイブリッド樹脂窓へ交換した施工事例を掲載しています。
まとめ|ブリッジ枠もマドリモも「枠を工夫して高断熱化」している
LIXILリプラスのブリッジ枠と、YKK APマドリモのハイブリッド専用枠は、どちらもカバー工法で断熱性能と納まりを両立するために工夫された商品です。
ただし構造は同じではありません。
リプラス ブリッジ枠は、アルミ形材の間を樹脂部材でつなぐサーマルブレイク構造。
マドリモ ハイブリッド専用枠は、樹脂障子とアルミ樹脂複合枠を組み合わせたハイブリッド構造。
どちらが適しているかは、既設窓、窓種、サイズ、断熱性能、補助金、施工条件によって変わります。
MADOSUKEサッシ・ドアでは、LIXILリプラス・YKK APマドリモのどちらも取り扱っておりますので、現場を確認したうえで適した商品をご提案いたします。
