寝室にYKK APウチリモを設置|窓の傾き・虫の侵入対策に4枚建+2枚建の内窓工事
今回は、寝室の掃き出し窓2か所にYKK APの内窓「ウチリモ」を取り付けました。
設置したのは4枚建と2枚建の2か所です。
今回のお客様のお悩みは、断熱や結露ではありません。
既存の外窓に大きな傾きがあり、窓を閉めてもできてしまう隙間からムカデなどの虫が室内へ侵入することに悩まれていました。


今回の目的は断熱ではなく「虫の侵入バリア」
内窓というと「断熱」「結露対策」「防音」を目的に取り付けるイメージが強いと思います。
しかし今回は、既存の外窓の隙間から入ってくる虫に対して、室内側にもう一枚窓を設けることで侵入経路を減らすことが一番の目的でした。
そのため、目的だけを考えれば高性能なLow-E複層ガラスまで必要というわけではありません。
ところが、今回は「先進的窓リノベ2026」を利用できる条件だったため、補助金を含めて計算すると、グレードの低い単板ガラス仕様よりも、補助対象となる高性能な複層ガラス仕様のほうがお客様の実質負担額を抑えられる結果となりました。
先進的窓リノベ2026を利用して合計128,000円の補助金
今回は先進的窓リノベ2026を活用しました。
- 2枚建:52,000円
- 4枚建:76,000円
- 補助額合計:128,000円
先進的窓リノベ事業の補助金申請は、登録事業者が行います。
そのため、お客様自身で複雑な申請手続きをしていただく必要はほとんどありません。
MADOSUKEガラス店は先進的窓リノベ2026登録事業者ですので、対象製品の選定から施工、補助金申請まで対応しています。
今回はLIXILインプラスではなくYKK APウチリモを選定
当店では、YKK AP「ウチリモ」とLIXIL「インプラス」の両方を取り扱っています。
今回は既存の窓枠にかなり歪みがあったため、施工時の調整のしやすさを考えてYKK APウチリモを選びました。
ウチリモの縦枠は、枠の中心を挟むような位置でビス固定する構造になっています。
そのため今回のように既存の窓枠にねじれや傾きがある場合でも、スペーサーを入れながら垂直を確認し、枠の状態を調整しながら施工しやすいと感じています。
一方、インプラスとは縦枠の形状や固定方法が異なります。
比較的新しく歪みの少ない窓ではどちらも選択肢になりますが、今回のように既存枠の歪みが大きい現場では、施工時の調整のしやすさを考えてウチリモを選定しました。
ウチリモは窓枠の奥行きが少ない住宅にも取り付けやすい
ウチリモには、もう一つ大きなメリットがあります。
LIXILインプラスの枠奥行きが約70mmなのに対し、YKK APウチリモは約58mmです。
さらに条件によっては最大11mm程度まで持ち出して施工できるため、計算上は実質47mm程度の取付スペースが確保できれば設置を検討できます。
「内窓を付けたいけれど窓枠の奥行きが足りない」という住宅でも、従来より取り付けできる可能性が広がっています。
これまで「ふかし枠」が必要だった窓でも、そのまま取り付けできるケースが増えました
従来の内窓では、窓枠の奥行きが足りない場合に「ふかし枠」というオプション部材を追加し、室内側へ枠を持ち出して取り付ける必要がありました。
しかし、ウチリモは枠の奥行きが約58mmと薄く設計されているため、これまでふかし枠が必要だった窓でも、ふかし枠を使わずに取り付けできるケースが増えています。
ふかし枠が不要になれば、オプション部材の費用を抑えられるだけでなく、施工工程も少なくなるため、取付時間の短縮にもつながります。
また、内窓が室内側へ大きく張り出さないため圧迫感が出にくく、見た目もすっきり納まりやすくなります。
さらに、ふかし枠を取り付ける現場では、既存のカーテンレールとの位置関係によってはレールの移設が必要になることがあります。
ふかし枠を取り付けると窓枠が室内側へ出るため、カーテンが引っかからないようレールをふかし枠側へ移設する場合があります。その分レール位置が数cm下がり、既存カーテンの丈や納まりが変わることがあります。
ウチリモでふかし枠を使わずに納めることができれば、追加費用を抑えながら、室内側への張り出しやカーテンレール移設による問題を避けられる可能性があります。
レーザーで測定すると左右で約10mmの高低差
今回の施工で一番重要だったのが、既存窓枠の歪みへの対応です。
レーザーを当てて水平を確認すると、窓枠の左右で約10mmもの高低差がありました。


ほかの窓にも同様の歪みが確認できたため、建物全体の沈下などが影響している可能性も考えられます。
ただし、建物の沈下原因についてはサッシ工事だけで断定できるものではありません。
今回は既存の状態を確認したうえで、内窓を問題なく使用できるように施工方法を調整しました。
最小寸法で製作し、スペーサーを入れて下枠を水平に調整
窓枠が10mm近く傾いた状態で、そのまま内窓を取り付けることはできません。
そこで今回は、事前の採寸結果から取付可能寸法を判断し、最小寸法を基準として内窓を製作しました。
施工時にはレーザーを確認しながら、低くなっている部分の下枠へスペーサーを入れて調整します。
新しく取り付けるウチリモの下枠が水平になるよう、少しずつ高さを調整しながら取り付けました。

スペーサーによって下枠を持ち上げた部分には、既存窓枠との間に隙間ができます。
その隙間は最後にコーキングで処理し、見た目にも違和感が出ないよう仕上げています。
内窓は単純に枠を取り付ければ終わりではありません。
特に今回のように既存窓が傾いている場合は、新しく取り付ける内窓側できちんと水平・垂直を出し、障子が正常に動く状態に調整することが重要です。
Low-E遮熱ブルー+アルゴンガス+樹脂スペーサー仕様
今回使用したガラスは、以下の仕様です。
- Low-E複層ガラス
- 遮熱タイプ・ブルー
- アルゴンガス入り
- 樹脂スペーサー
- 型板ガラスを組み合わせた目隠し仕様
寝室の掃き出し窓ということもあり、今回は型板ガラスを使用して外からの視線を遮る仕様としています。
先進的窓リノベ事業では、単純に「ペアガラスなら対象」というわけではありません。
ガラスの組み合わせ、中空層の厚さ、Low-Eガラス、ガス入りなどによって窓全体の断熱性能が変わります。
例えば、ガラス構成によっては中空層を十分に確保できる仕様もありますが、今回のように型板ガラスを組み合わせると中空層の厚さが変わるため、補助対象となる性能を満たす製品仕様を確認して発注する必要があります。
今回はLow-E遮熱ガラス・アルゴンガス・樹脂スペーサー仕様として、先進的窓リノベ2026の対象製品を採用しました。
壁紙に合わせてホワイトを選択
今回、ウチリモのカラーは室内の壁紙に合わせてホワイトを選びました。


4枚建という大きな内窓ですが、ホワイトを選ぶことで圧迫感も少なく、もともとの室内に自然に馴染みました。
YKK APウチリモは障子の動きが軽く、建付け調整もしやすい
実際に施工して感じるウチリモの特徴の一つが、障子の動きの軽さです。
今回のように大きな複層ガラスが入った障子でも、調整後はスムーズに開閉できます。
また、建付け調整もしっかり効くため、今回のような既存窓に歪みがある現場でも調整しやすい製品です。
障子周囲の気密材もしっかりしており、窓を閉めた際には隙間を抑える構造になっています。
YKK APウチリモは2026年に登場した新しい内窓ですが、窓枠の奥行きが少ない住宅や、既存窓の状態に合わせて細かく調整したい現場では非常に使いやすい内窓だと感じています。
内窓は「断熱」だけでなく虫の侵入対策にも
今回は断熱を目的とした工事ではなく、既存窓の歪みによって生じた隙間からのムカデなどの虫の侵入対策として内窓を取り付けました。
既存サッシそのものを交換する方法もありますが、状態やご予算、利用できる補助金によっては、今回のように内窓を設置する方法が適している場合もあります。
また、補助金を利用することで、低価格な仕様を自己負担で施工するより、高性能なLow-E複層ガラス仕様を選んだほうが実質負担額を抑えられるケースもあります。
MADOSUKEガラス店では、既存窓の状態を確認したうえで、YKK APウチリモ・LIXILインプラスのどちらが適しているかも含めてご提案しています。
窓枠が狭い、窓が傾いている、建付けが悪い、隙間から虫が入るといった場合も、現地で確認のうえ施工方法をご案内いたします。
