YKK APマドリモ ハイブリッド樹脂窓へ交換|カバー工法の施工工程
今回は、既設のアルミ製引違い窓を、YKK AP「マドリモ ハイブリッド樹脂窓」へ交換した施工事例をご紹介します。
マドリモは、既存のサッシ枠を残し、その内側へ新しいサッシを取り付けるカバー工法の商品です。
カバー工法は、古い窓の上から新しい窓を単純に取り付けるだけではありません。既設枠の状態を確認し、気密・防水処理を行い、新設枠の水平・垂直を確認しながら固定していきます。
今回は、既設窓の取り外しから気密シート、新設枠の組み立て、レーザーによる水平・垂直調整、障子の建て込み、室内額縁、完成まで、実際の施工工程を順番にご紹介します。
① 施工前の既設アルミサッシ

交換前は、アルミ製の引違い窓が取り付けられていました。
外窓交換では、窓の幅や高さだけでなく、既設サッシの傾きや歪み、外壁との納まり、室内側の木枠寸法なども確認します。
今回の既設サッシには傾きが確認できたため、新しい窓を取り付ける際に調整できる余裕を考えて製作寸法を決めています。
② 既設窓を取り外して気密シートを施工

既設の障子や新設窓と干渉する部材を取り外し、新しいサッシを取り付けるための準備を行います。
カバー工法では、建物側の既設サッシ枠をすべて撤去するのではなく、新しい窓を取り付ける土台として活かします。
その後、既設枠まわりへメーカー所定の気密シートを連続して施工します。
この気密シートを既設枠と新設枠の間に連続して施工する構造は、YKK APマドリモの大きな特徴のひとつです。
YKK APは、既設枠と新設枠を防水シートでつなぎ、水密性・気密性を確保する改装窓構造および施工方法について特許を取得しています(特許第6590669号)。
マドリモでは、室外側の水密材に加えて気密シートを設けることで、メーカーが「2重バリア」としている防水・気密構造をつくります。
完成後には見えなくなる部分ですが、窓交換ではこのような防水・気密処理も重要な工程です。
③ マドリモの新設サッシ枠を組み立て

次に、新しく取り付けるマドリモのサッシ枠と各部材を組み立てます。
マドリモは、完成した窓をそのまま既設枠へ嵌め込むだけではなく、現場で枠やアタッチメントなどを組み合わせながら施工していきます。
組み立て時には、部材の向きや接合部を確認し、新設枠にねじれが出ないように施工します。
④ 新設サッシ枠を既設枠へ嵌め込み

組み立てた新設サッシ枠を、既設枠の内側へ嵌め込みます。
この段階では、すぐに完全固定するのではなく、開口の状態を確認しながら新設枠の位置を調整します。
既設サッシは建物の経年変化などによって水平・垂直が崩れている場合があるため、既設枠だけを基準にして取り付けるのではなく、新設枠そのものが正常な形になるように調整することが大切です。
⑤ レーザーで新設枠の水平を確認

新設枠を嵌め込んだ後、レーザーを使用して水平を確認します。
今回の既設サッシには傾きがあったため、既設枠のラインにそのまま合わせるのではなく、レーザーを基準にしながら新しいサッシ枠の位置を調整しました。
引違い窓は、下枠の水平が崩れると障子の走行や戸先の納まりに影響するため、水平を確認しながら固定していきます。
⑥ 縦枠の垂直を確認して固定

下枠の水平を確認した後は、左右の縦枠の垂直を確認します。
新設枠が傾いたりねじれたりした状態で固定すると、障子の開閉不良や鍵の掛かりに影響することがあります。
そのため、水平・垂直だけでなく、枠全体の状態を確認しながら少しずつ固定していきます。
⑦ 樹脂障子を建て込み

新設枠の固定後、ハイブリッド樹脂窓の障子を建て込みます。
今回使用した窓は、障子部分に樹脂を使用した仕様です。
障子を実際に建て込むことで、枠だけでは確認しにくい戸先や召し合わせ、開閉状態なども確認できます。
⑧ 開閉状態を確認して微調整

障子を建て込んだ後、実際に何度か開閉して動きを確認します。
戸先の当たり、召し合わせ、鍵の掛かり具合などを確認し、必要に応じて戸車や障子位置を微調整します。
今回は既設サッシに傾きがありましたが、新設枠を水平・垂直に調整して取り付けたことで、スムーズに開閉できる状態に納まりました。
⑨ 室内側の樹脂額縁を取り付け

新設窓の取り付け後、室内側へ専用の樹脂額縁を取り付けます。
カバー工法では、既設サッシと新設サッシの間に施工上必要なスペースができます。
この部分が室内側から見えないように額縁で覆い、既存の窓木枠との取り合いを仕上げます。
額縁と既存木枠の取り合い部分は、コーキングで一周仕上げています。
⑩ YKK APマドリモ ハイブリッド樹脂窓への交換完了

室外側の完成写真です。
既存の外壁を大きく壊すことなく、古いアルミサッシから新しい引違い窓へ交換できました。

室内側も専用額縁で既設枠との取り合いを覆い、すっきりと仕上がりました。
今回使用したハイブリッド樹脂窓の仕様
今回使用したYKK APマドリモ ハイブリッド樹脂窓は、古いアルミサッシから窓全体の断熱性能を見直したい場合にも適した仕様です。
- YKK AP マドリモ ハイブリッド樹脂窓
- 引違い窓
- Low-E複層ガラス
- アルゴンガス入り
- 樹脂スペーサー
- カバー工法
障子部分には樹脂が使用され、枠部分にも樹脂部材を組み合わせています。
さらにLow-E複層ガラス・アルゴンガス・樹脂スペーサーを組み合わせることで、古いアルミサッシと比べて窓全体の断熱性能を高めることができます。
カバー工法は現場ごとの調整が重要です
カバー工法は外壁を大きく壊さずに施工できる便利な工法ですが、既設枠の状態は住宅ごとに異なります。
既設サッシの傾きや歪み、開口寸法、外壁との納まりなどによって、新設窓の製作寸法や取り付け位置を調整する必要があります。
今回も既設枠に傾きが確認できたため、既設サッシのラインだけに合わせるのではなく、レーザーを使用して新設枠の水平・垂直を確認しながら施工しました。
新しい窓が正常に開閉できる状態に納めることを優先し、既設枠の状態に合わせて施工方法を調整することが重要です。
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