サッシ屋の日常⑩|「浴室の開き戸を折れ戸に替えられますか?」と聞かれる話
宇部市で浴室ドア交換のご相談をいただく中で、このように聞かれることがあります。
「浴室の開き戸を折れ戸に替えられますか?」
結論からいうと、現在の浴室ドア枠や開口寸法などの条件が合えば、開き戸から折れ戸へ交換できる場合があります。
浴室全体を入れ替えなくても、既存のドア枠を利用するカバー工法やアタッチメント工法によって、浴室ドアだけを交換できることがあります。
ただし、交換後は開閉に必要なスペースだけでなく、実際に通れる幅や下枠の段差も変わることがあります。取り付けられるかどうかだけでなく、交換後に使いやすいかまで確認することが大切です。
開き戸から折れ戸への交換はできる場合があります
浴室の開き戸は、1枚の扉を手前または奥へ大きく動かして開閉します。
一方、折れ戸は扉が中央付近で折れながら開くため、開き戸よりも扉の動く範囲を小さくしやすいことが特徴です。
- 開き戸が脱衣室側の洗面台や洗濯機に当たりそう
- 扉を開けるたびに立ち位置を変える必要がある
- 脱衣室のスペースを有効に使いたい
- 古くなった浴室ドアを新しくしたい
- 開き戸よりコンパクトに開閉したい
このような場合は、折れ戸への交換を検討できます。
ただし、折れ戸にも折りたたまれた扉が残るため、交換後の有効開口が必ず広くなるわけではありません。
浴室ドアのカバー工法とは
カバー工法は、現在の浴室ドア枠を残し、その上から新しい枠を取り付けて浴室ドアを交換する方法です。
既存枠を撤去するために浴室の壁や脱衣室側の壁を大きく壊す必要がないため、工事範囲を抑えやすいことが特徴です。
カバー工法の主なメリット
- 既存の浴室ドア枠を利用できる
- 浴室や脱衣室の壁を大きく壊さずに施工しやすい
- 枠ごと撤去する工事より工事範囲を抑えやすい
- 工事期間を比較的短くしやすい
- 古い開き戸から折れ戸へ変更できる場合がある
カバー工法の注意点
- 既存枠の内側に新しい枠が入るため、有効開口が狭くなることがある
- 下枠が重なることで、交換前より段差が高くなる場合がある
- 既存枠の腐食や変形が大きい場合は施工できないことがある
- 現在の開口寸法によっては対応商品がないことがある
- 既存枠の形状によって納まりが変わる
カバー工法を選ぶ場合は、新しい折れ戸が取り付けられるかだけでなく、交換後に確保できる出入り口の幅と下枠の高さも確認します。
アタッチメント工法とは
アタッチメント工法は、現在の浴室ドア枠に専用の取付部材を設置し、新しい折れ戸を納める方法です。
既存枠を利用する点はカバー工法と似ていますが、使用する部材や既存枠を覆う範囲、取り付けられる条件などが異なります。
カバー工法とアタッチメント工法の呼び方や細かな仕様は、メーカーや商品によって異なります。
そのため、「アタッチメント工法なら、どの浴室にも同じように取り付けられる」というわけではありません。
アタッチメント工法の主なメリット
- 既存の浴室ドア枠を利用できる
- 壁を大きく壊さずに施工しやすい
- 既存枠の条件が合えば折れ戸へ交換できる
- 浴室全体を入れ替えずにドア部分を新しくできる
なお、既存枠を利用するといっても、古い開き戸本体を外して、新しい折れ戸をそのまま差し替えるという意味ではありません。
現在の枠に合った専用部材を使用して、新しい折れ戸を取り付けられる状態にします。
カバー工法とアタッチメント工法の違い
| 比較する項目 | カバー工法 | アタッチメント工法 |
|---|---|---|
| 既存枠 | 既存枠を残し、上から新しい枠を取り付ける | 既存枠に専用の取付部材を設置する |
| 壁の工事 | 大きく壊さずに施工しやすい | 大きく壊さずに施工しやすい |
| 対応条件 | 既存枠・開口寸法・新設枠の納まりを確認 | 専用部材と既存枠の形状・寸法が合うかを確認 |
| 有効開口 | 新しい枠の分だけ狭くなることがある | 部材の納まりによって狭くなることがある |
| 下枠の段差 | 新しい下枠の分だけ変わる場合がある | 使用する部材や排水方法によって変わる |
※工法の名称・使用部材・対応条件はメーカーや商品によって異なります。実際の工法は、既存枠と開口寸法を確認したうえで判断します。
折れ戸にすると開閉スペースを小さくしやすくなります
開き戸は、扉の幅に応じた開閉スペースが必要です。
扉が脱衣室側へ開く場合は、洗面台、洗濯機、収納棚、脱衣かごなどに当たらないスペースを確保しなければなりません。
浴室側へ開く場合も、洗い場に置いた椅子や洗面器、浴室内にいる人などが扉の動きを妨げることがあります。
折れ戸は扉が折りたたまれながら開くため、開き戸よりも扉が動く範囲を小さくしやすく、限られた脱衣室や洗い場でも使いやすくなる場合があります。
ただし、折れ戸も浴室側または脱衣室側へ一部張り出します。設置前に、洗面台や浴室内の設備へ干渉しないかを確認します。
交換後の有効開口は必ず確認します
折れ戸は開閉スペースを小さくしやすい一方、開いたときに折りたたまれた扉が開口部分に残ります。
さらに、カバー工法やアタッチメント工法では、既存枠の内側に新しい枠や部材を取り付けます。
そのため、現在の開き戸より実際に通れる幅が狭くなる場合があります。
- 人が無理なく出入りできるか
- 浴室用の椅子を出し入れできるか
- 介助するためのスペースを確保できるか
- 将来、歩行器などを使用する可能性がないか
- 折りたたまれた扉が出入りの邪魔にならないか
開き戸から折れ戸へ替えられる寸法であっても、交換後の有効開口がご家庭の使い方に合わない場合は、別の方法を検討することがあります。
下枠の段差と排水方法も重要です
浴室ドアの下枠には、浴室内の水が脱衣室側へ流れにくくする役割があります。
カバー工法やアタッチメント工法では、既存の下枠周辺へ新しい部材を取り付けるため、交換前より段差が変わることがあります。
- 交換後の下枠がどのくらい高くなるか
- 浴室側からの水をどのように処理するか
- 脱衣室側へ水が流れにくい納まりにできるか
- つまずきやすい段差にならないか
- 既存の床やユニットバスとの間に傷みがないか
段差を低くすることだけを優先すると、水の処理に影響する場合があります。
使いやすさだけでなく、浴室ドアとして必要な水返しや排水の納まりも含めて判断します。
折れ戸の安全機能も確認します
浴室では、入浴中に体調を崩したり、浴室内で転倒したりする可能性も考える必要があります。
商品によっては、浴室内で人が倒れて扉をふさいだ場合に、脱衣室側から扉を取り外せる緊急着脱機構が用意されています。
小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、開閉のしやすさだけでなく、緊急時の対応方法も商品選びの確認ポイントです。
開き戸から折れ戸へ交換できない場合もあります
浴室の開き戸すべてを、カバー工法やアタッチメント工法で折れ戸へ交換できるわけではありません。
- 開口の幅や高さが商品の対応範囲に入らない
- 既存枠の腐食や変形が大きい
- 枠を固定する部分に十分な強度がない
- 浴室や脱衣室側の壁・床に大きな傷みがある
- 新しい折れ戸が浴室設備や洗面台などに干渉する
- 下枠部分で適切な排水の納まりを確保できない
- 特殊な形状の浴室ドアが取り付けられている
既存枠の状態によっては、枠を残したまま取り付けるのではなく、周辺部分を含めた別の工事をご提案することがあります。
扉本体だけ交換できる場合もあります
現在使用している浴室ドアのメーカー・シリーズ・品番が確認でき、適合する交換用の扉が残っている場合は、扉本体だけを交換できることがあります。
ただし、古い浴室ドアでは商品が廃番になっていたり、交換用の扉が用意されていなかったりすることもあります。
また、開き戸から折れ戸へ開き方を変更する場合は、基本的に既存の丁番へ折れ戸をそのまま取り付けることはできません。
現在の浴室ドアに適合する商品があるか、カバー工法やアタッチメント工法が利用できるかを確認します。
現地確認で確認するポイント
MADOSUKEサッシ・ドアでは、浴室の開き戸から折れ戸への交換をご相談いただいた場合、主に次の点を確認します。
- 既存ドア枠の幅・高さ・奥行き
- 浴室ドアのメーカー・シリーズ・品番
- 既存枠の形状・腐食・変形
- 浴室側と脱衣室側の床の高さ
- 下枠の形状と排水方法
- 折れ戸を開いたときの有効開口
- 洗面台・洗濯機・浴室設備との位置関係
- 壁や床に水漏れによる傷みがないか
写真である程度確認できる場合もありますが、枠の細かな形状や段差、固定できる位置、交換後の有効開口までは写真だけで判断できないことがあります。
最終的な商品と工法は、現地で採寸と納まりを確認したうえで決定します。
浴室ドア交換の流れ
- 現在の浴室ドアの状態を確認
- 現地で枠・開口寸法・段差を採寸
- カバー工法またはアタッチメント工法を検討
- 交換後の有効開口と段差をご説明
- 商品・工事内容・総額をご案内
- ご納得いただいた場合に商品を手配
- 商品入荷後に交換工事
浴室ドアは、現場の寸法や既存枠の状態に合わせて手配します。
作業前に工事内容と総額をご案内し、ご納得いただいた場合のみ商品を発注しています。
サッシ屋の日常として思うこと
「浴室の開き戸を折れ戸に替えられますか?」と聞かれることがあります。
既存枠や開口寸法などの条件が合えば、浴室全体を入れ替えなくても、カバー工法やアタッチメント工法で折れ戸へ交換できる場合があります。
折れ戸は開閉スペースを小さくしやすい一方で、有効開口が狭くなったり、下枠の段差が変わったりすることがあります。
取り付けられるかどうかだけで判断せず、交換後の出入りのしやすさ、段差、水の処理まで含めて確認することが大切です。
MADOSUKEサッシ・ドアでは、宇部市で浴室ドア交換をご検討中の方へ、既存枠・開口寸法・段差・周辺設備の状態を確認したうえで、住まいに合った交換方法をご案内しています。
代表の寺川は、ガラス店とサッシ店の両方で経験を積み、現在は山口県に戻り、宇部市・下関市を中心に窓・サッシ・ドア工事に対応しています。
