本日は大鳥機工(DIA)さんの廃盤フロアヒンジDT-22をD-22に斫り替えについてお話し致します!
今回ご依頼くださったのは、紳士で優しい店主さんが運営されている、ラベンダーヘアーハウスさんからです。ドアが勢いよく閉まる為、お客様の為にドアを修理したいというご要望でした。ドアの開閉不具合を修理するのは意外と費用がかかりますから、放置しがちになりやすいのですが、すぐに直したいとのことで、お客様のことを考えられているんだなぁ、と店主さんの誠実さを感じます。
店内が見えるガラスドアは、美容室や飲食店、病院など、普段私たちが利用するお店の多くに採用されています。来店の際に開けたガラスドアは、私たちが閉めなくても勝手にゆっくり閉まっていきますが、それはフロアヒンジが働いてくれているからです。
写真のように、ガラスドアの直下にはプレートがあり、それを外すとドアの開閉スピードをコントロールしている装置がみえます。その装置のことをフロアヒンジといいます。そのフロアヒンジにはバネとオイルダンパーが内蔵されていて、ダンパーのオイルが抜けるとバネの制御が効かなくなり、扉がバタン!と急激に閉まるようになります。こうなったら、本体を交換するしかありません。

とはいえ、フロアヒンジ本体はドアの開閉スピードをコントロールするためだけの装置ではありません。ドアの土台となり、軸となる装置ですから、フロアヒンジを納めるセメントケース(BOX箱)が錆びていると、フロアヒンジ本体を替えても、本体はボックスの中でも傾いたり動いてしまい、ドアの閉まる位置が変わったり、ドア枠に当たるようになったりします。つまり、ボックス箱が錆びて腐食していると、フロアヒンジ本体を替えてドアの開閉スピードがゆっくりになっても、ドア自体に傾きやズレが発生する場合があるということです。
これは、どういうことかいうと、今まではボックス内に錆びた鉄くずやゴミが詰まっているため、それがフロアヒンジを固着固定させていたが、ドアを外しフロアヒンジ本体を取り外した段階で、付着していたゴミや鉄くずは清掃します。ですが、ボックス内でフロアヒンジ本体と空間ができることで、動きやすくなるからです。勿論、フロアヒンジには固定する為の金具が付いていますが、ボックス箱が錆びていては、ドア開閉の負荷に耐えられず箱に穴が空きます。つまり、ボックス箱が錆びて腐食していると、フロアヒンジ本体を替えてドアの開閉スピードがゆっくりになっても、ドア自体に傾きやズレが発生する場合があるということです。

なので、今回はボックスごとハンマードリルで斫り、セメントケースを埋め替えした訳ですね。既存のDT-22は廃盤のため、後継品のD-22を使用しました。後継品だからといって同じ寸法であるという訳ではないのですが、D-22に関してはDT-22の旧型とセメントケースの大きさは同じですので、斫り替えしやすいですね。同じ耐荷重量、同じ中心吊り仕様で、ドアを90℃に開くとストップすることができるストップ機能付きです。

フロアヒンジ交換後は一旦ドアを吊り込み、ドアの開閉スピードを念入りに調整して、ドアの止まる位置やカギのかかりを確認します。調整が終わったところで、最後にプレートで蓋をして作業完了となります。
ちなみに、大鳥機工のフロアヒンジの特徴として、ドアを開けた位置や力の入れ具合により、ドアが止まる位置が毎回数ミリズレます。これは、大鳥機工あるあるで、NEWSTARではもっとシビアにドアが開閉コントロールされてピタッと毎回定位置で止まるイメージがありますね。個人的にはフロアヒンジ製品自体の精密さの差異と考えています。今回は戸当たり材が枠の戸先上部に付いていた為、そこを調整することで止まる位置を一定にしていますが、そうでない場合はわりとカギをかけるときに毎度数ミリ位置合わせをしてカギをかける必要があるのが大鳥機工ですね。そこは、今までと使い方が変わりませんよ〜といったところでしょうか。かといってドアの規格上ほいほいNEWSTARに替える訳もいきませんから、これは今後メーカーさんに期待するしかありません。メーカーさん宜しくお願い致します笑
宇部市のフロアヒンジの交換修理は窓助ガラス店にお任せくださいませ。